◆都農神楽について

都農神楽は、日向の国(宮崎県)一之宮である都農神社を始め、都農町に古くから伝わる神楽で、県の無形文化財(高鍋神楽)に指定されています。創始については、何時の時代であったかを示す文献等が、天正年間の島津・大友の争乱時に焼失しており不詳となっています。
神楽の系統は、高千穂神楽や六社連合大神事の様に夜通し行われる「夜神楽」の形式ではなく、夜中に終わる「夜半神楽」(12/4)と日中に行われる「昼神楽」(12/5)となっています。


◆伶人(神楽奉仕者)について

◆願祝子について
明治時代の都農神社宮司、永友宗鷹が記した由緒記には「願祝子の事」と題されて、伶人(神楽奉仕者)の事についての記載があります。
※伶人の事を以前は祝子と言っていたようです。
(以下記載)

「 願祝子の事 」
氏子人民の児童にして身体虚弱なる徒輩又は病に罹りて危篤となりし時は大神の御守護を乞い祈り奉る外にせんとすべなきを以て其親たるものは平癒の祈願を神職に願い出て、其報賽には願祝子と云いて御神楽の舞人とて仕へ奉らむと誓い奉るなり 妙斯願すれば必ず御恵を蒙りて忽ち壮健の体となるなりと云い伝えて昔より立願して願祝子となるもの世々多し其年限は人々に依りて三年或は五年長きは十年或は終身等種々あり かく仕へ奉り来にけることは昔より絶えしことなく現今も二十名あり


◆伶人(神楽奉仕者)の変遷について
都農神楽は、昭和後半頃まで都農神社周辺の宮野尾地区の氏子のみが伝承する神楽でした。当時、宮野尾地区には三輪の姓が多く居住しており、この三輪氏が代々伝承していたとも伝えられています。しかしながら、時代が下るにつれて、いつしか宮野尾地区の伝承者も少数となり、現在では都農神社の神職や有志者で保存伝承をしています。


◆御神屋(神楽庭)について

都農神楽は、毎年12月4日の都農神社冬祭前夜祭、翌5日の冬祭例大祭後に境内で奉納しています。神楽の奉納場所である御神屋(神楽庭)は、都農神社が平成の大造営を行う以前は、神門入って右奥に毎年5メートル程の高さの山垣(神籬=依り代)を設けて、神楽の奉納場所を構えいましたが、造営以降は同じ場所に旧拝殿を移設し神楽殿とした為に、山垣は設けず神楽殿の前に奉納場所を構えての神楽奉納を行うようになりました。
しかし、令和4年の神楽奉納では「本来の形式が忘れ去られてはいけない」と言う思いから、21年振りに山垣を設けて神楽奉納を行いました。

造営前
造営前
造営後
造営後

◆都農神楽の歴史について

先に記した通り、都農神楽の創始については島津大友の戦火により焼失し不詳となっていますが、所属する高鍋神楽では、既に奈良時代には舞われていたと伝えられています。
江戸時代には、秋月氏が高鍋の地(現在の東児湯一帯と日向市の一部)を領すると、神楽を奨励し、全盛を極めたと伝えられています。
※参考文献=高鍋本藩実録、都農神社纂記、大泉寺文書など


◎奈良時代
宮中にて御前演奏を行い過分の褒美を賜る

◎天明3年(1783)8月11日
祈晴祈願の為、都農神社にて終日神楽奉納

◎文政3年(1820)8月11日
祈晴祈願の為、都農神社にて終日神楽奉納

◎文政6年(1823)5月27日
藩主種任公、雨乞の為神楽奉納

◎天保3年(1832)6月2日
都農神社にて雨乞祈祷

◎天保3年(1832)8月19日
6月2日の雨乞祈祷の御礼として、都農神社にて終日神楽奉納

◎嘉永元年(1848)6月23日24日
日照りの為、尾鈴鳥居尾にて大泉寺修験僧が雨乞祈祷並びに神楽修行

◎嘉永5年(1852)7月4日
藩主の許可を得て、藩民が五穀豊穣の祈願として、都農神社に神楽奉納

◎昭和30年(1955)4月1日
都農町を含む4町で高鍋神楽保存会を結成

◎昭和44年(1969)4月1日
県の無形文化財(高鍋神楽)として指定を受ける

◎平成29年(2017)2月18日
宮崎県総合博物館敷地内の民家園「椎葉民家」にて六社連合大神事再現に参加
鬼神舞を奉納

◎平成29年(2017)7月2日
伊勢神宮神楽奉納100周年記念事業に参加
都農神楽として鬼神舞、振揚舞、戸開雄舞の3番を奉納

◎平成30年(2018)11月24日
第67回全国民俗芸能大会に参加
芸能公演に鬼神舞、研究公演に振揚舞の2番を奉納

◎令和元年(2019)9月7日8日
東九州神楽人の祭展に参加
8日公演に鬼神舞、振揚舞の2番を奉納

◎令和2年から令和3年
新型コロナウイルスの為、都農神社冬祭前夜祭と例祭での神楽奉納を中止

◎令和4年(2022)12月4日5日
都農神社冬祭に於いて21年振りに神楽庭に山(神籬)を設ける


都農神楽保存会
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